面白くなりたい麦笑いの七味

だらけきった思考

おすすめの本 『芸人前夜』オリラジ中田敦彦

  玄関開けて2秒で読んだ。前日の真夜中頃に、読み始めた結果、次の日に予定があったので、読み切れなかった。1日中、早く続きが読みたくてたまらなかった。だから、帰ってきてすぐ続きを読んだ。そして、あっちゃんが「カッコ悪い」から「カッコいい」に孵化する物語の続きにふけった。 

 この本は、あっちゃんのイケてない大学生活3年目から始まり、相方藤森さんとの出会い、お笑い学校への入学とそこでの奮闘、プロとしてデビューする前にM1準決勝に勝ち進むという快挙、そしてエンタの神様」に出演するまでを描いている。  【以下に続く】

 エンタ当時、僕は7歳。天才チンパンジー程の脳しか持たない僕でも、武勇伝をテレビで見た記憶は、確かに海馬に刻み込まれている。しかしながら、「1日2mmバス停動かし2年をかけて自宅の前へ」持ってくるオリエンタルな男の、苦悩はこの本を読むまで知る由もなかった。読中、ひしひしと伝わったのは、あっちゃんの圧倒的な才能と覚悟、そして不必要な馴れ合いを忌み嫌う人でも、支えてくれる相方を欲し必要とする弱さを持つという事実。僕は、あっちゃん程の思考力も勇気もないくせに、根拠のない自信だけを巾着袋に入れて、小学生の頃からずっと持ち歩いてしまっていた。「別に誰の助けもいらないし。」という沢尻エリカばりのオーラ。でも、ほんとは心から信頼できる相方を、僕も欲していたんだなと再認識させられた1冊だった。自分が今、やりたいことの海に20m上から今なら飛び込める。発売から3、4年も経つ、新鮮とは言えないこの1冊。偶然、ネットで見つけ、読んでみようかなと思えた事が、今年、暫定1位のラッキーだったと思う。是非、新たな道に挑戦しようか迷う方達、オリエンタルラジオが少し気になっている方達、この書評を読んでリトル興味を抱いた方達に読んでみて頂きたい。

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 何だか、終わりの雰囲気を出してしまったが、この本で使われている表現(慣用句や比喩)の純粋な面白さにも触れて起きたいので、追記する。あ、最初に面白いとか言うと、ハードル高くなるどころじゃなく棒高跳びになっちゃうの忘れてた。まあ、置いといて以下の様な表現だ。

 

・(自分はイケメンではないので、美女ではなく分相応な女の子を狙っていることの例え)「家賃六万で3LDKに住めるか?住めないだろ。……だからワンルーム狙ったんじゃねえか」(58ページ)

・(吉本の養成所での口臭チェックで、臭いことを理由に先輩から帰れと言われた藤森さんを横目に)「『くせえからかえれ』という八文字の威力。『チチキトクスグカエレ』並みの威力。」(94ぺージ)

・(かわいい女の子を見たくて振り返る時の表現)「写真週刊誌の袋閉じを開けるように」(95ページ)

・(モテるイケメンを妬み、自分のモテ技術を藤森さんに発表するシーン、資源でイケメンかそうでないかを例えている)「資源の豊かな国で技術は発達しない。限られた資源をなんとかしようとする工夫。それが科学だよ。資源にあぐらをかいてのうのうと生きていろ。産油国め。」(108ページ)

どうだろうか。以上の様な、魅力ある表現が随所に散りばめられている。物語を追いながらも、隠れミッキーを探すかの様にこれらの表現を見つけて、皆さんも楽しんでみてほしい。

 

 僕は、もう受験生ではないが、あっちゃんの勉強法・思考法を知りたいので、今年の4月に出版された新作の『大合格 参考書じゃなくオレに聞け!』も読もうと考えている。 

 

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